私の考えを作ったおすすめ本

私が影響を受けた素晴らしい本 ベスト10

私の絵画作品をもっと理解してもらうために、私が今までどんな本を読んできたか紹介します。

1位 ヒューマン・アクション ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス

こちらの本は経済学者のミーゼスの主著です。市場経済のメカニズムを、人間の主観的な行為に着目して説明した名著です。ミーゼスはオーストリア学派という、市場経済を擁護する経済学派のリーダー的存在です。

彼は自由な交換(商業)を規制するソビエト連邦(社会主義国家)が、市場経済によって生まれる価格という評価基準を使用することが出来ないために、効率的な生産が全く不可能であるという点で、経済破綻を迎えざるをえないという結論を導き出しました。

また、好景気・不景気といった景気循環は市場経済が生み出すものではなく、政府の金利政策(貨幣量の増減による操作)によって作りだされるものであるということ、恐慌という現象は国家介入(統制経済)の問題だということを語っています。

彼の思想を端的に表すのが「政府は人々を豊かにすることはできないが、貧しくすることはできる」という言葉です。

国家や国民の豊かさは、国民の生産力(商品・サービスを生み出す力)にあるのであって、お金の量を増やすことと、豊かな経済力には何も関係がないということだと思います。

出版社の文章から引用しますと「 人間行為学(Praxeology)の基礎的地平から、市場、通貨、景気などの経済的命題を捉えなおし、社会主義国家、福祉国家による市場干渉の誤りを解明し、自由主義思想の金字塔となったミーゼスの代表作。」ということです。現在では、電子書籍で読めますが、私がこの本を探していた時は絶版で、中古市場でも大変な高値で取引されていました。

2位 藁のハンドル ヘンリー・フォード

こちらは世界中に自動車という乗り物を普及させた、フォード社の創業者であるヘンリー・フォードの著作です。フォード自身の経営哲学や人生哲学が分かりやすく書かれており、人間はなぜ働くのかといった私達に身近なことが書かれています。

この本の白眉は、株式会社というものの本質が語られているところです。私たちが企業というものの価値を考える時に、お金で考えてしまうことがありますが、フォードによれば会社の価値を創るのは、ブランドや知名度、商品・サービス、設備や従業員、販売力であって、自由経済とお金をすぐに結び付ける考えは、誤りであると述べています。また、「社会主義」と「実業から乖離した金融」が、豊かな暮らしを破壊するとも述べています。

ヘンリー・フォードの素晴らしい名言を紹介します。

「ほとんどの人が、成功とは手に入れるものだと考えています。 でも本当のところ、成功とは与えることなのです。」

3位 日本一の変人経営者 宗次徳二

こちらは世界一のカレーチェーンを創業した宗次徳二氏の自伝です。孤児院から人生をスタートして、極貧の少年時代を過ごした宗次氏が、お客様第一主義の経営でCoCo壱番屋を発展させていった、波乱万丈の人生が語られています。

「もっとも、自他ともに認める変人ぶりも生い立ちのせいなのだろうか。とにかく、道なき道を自らの力で切り拓いて行く、他人とは相談しない、業界の常識や既成概念はむしろ不要であり、自己流の経営でつらぬき通すのが私のやり方とも言える」

「朝9時始業の会社で4時間以上前に出社するのは、容易なことではない。たぶん、日本一出社の早い社長ではないだろうか…私は、今年(うるう年)は366日、1日も休まないで5500時間以上仕事しよう、を年間目標にかかげた…結果は、1年間、本当に1日も休まず、5637時間で目標を達成。うるう年のため366日で割ると、1日平均15時間半程度も制服を着続けて、仕事をしたことになる…日本の労働者の年間実労働時間の平均は1800時間程度だから、およそ3倍の仕事量だ。たぶん、この年最も働いた日本一の社長だっただろう」

出版社の説明を引用すると「 田んぼの真ん中に作った小さなカレー専門店。他の飲食店をマネすることなく、ただお客様のためだけに働き続け、日本一のカレー専門FCに、さらに東証一部上場まで育てた創業者が語る、飲食店サービスの本質。お客様に、社員に、地域の住民に喜んでいただけるために、誰よりも長く現場に立ち続けた創業者だから語れる商売繁盛の秘訣が詰まった一冊」ということです。

4位 独断 宗次流商いの基本 宗次徳二

こちらも引き続き宗次徳二氏の著作です。仕事以外の趣味を持たず、ひたすら現場主義にこだわった数十年の経験から著者みずから体得した経営哲学・人生哲学が余すことなく語られています。

「人生は生まれた境遇で左右されるわけではない、自分の人生は自分で切り開いていく、それが世の中のルール」

「小さく始めて、積み上げていく、何もないところから道を切り開くことを喜びとする」

「最初に失敗を重ねるほうが商売はうまくいく、お客様サービスを第一に問題点を修正していく」

「日本一の標語、お客様、笑顔で迎え、心で拍手、お客様なしには商売は成り立たないのだから接客を第一に考える」

出版社の文章を引用すると「 ココイチの創業者である宗次德二氏は、1974年にココイチの前身となる喫茶店を開業し、それから8年たって株式会社壱番屋を設立した。その後、同社のフランチャイズシステムをつくり、国内外で1400店舗を超える体制を築き上げた。 宗次氏の経営のポリシーは、極めてシンプルである。 「現場主義、お客様第一主義、率先垂範」を徹底して行う。宗次氏にとっての「経営」とは「継栄」、つまり継続して栄え続けることであるという。 同社は2005年に東証一部上場を実現させるが、朝から晩まで仕事のことだけを考え続けた宗次氏が考える仕事の基本を忠実に実行し続けた結果である。 同書には、宗次氏がこれまで培ってきた仕事の極意が、まとめられている」。

5位 第二次世界大戦 ウィンストン・チャーチル

ウィンストン・チャーチルはイギリスの政治家・軍人として大変著名ですが、ノーベル文学賞を受賞するほどの文才にも恵まれた人でした。そんな彼が、自ら首相としてナチス・ドイツの侵略に耐え続けた実際の経験と、豊富な歴史認識と苦難に立ち向かう精神力を通して書き上げた第二次世界大戦史が、面白くないはずがありません。

特に素晴らしい部分は日本の敗戦が原子力爆弾によるものではなく、海軍力によってなされたという一節です。日本の輸送船の護衛は不十分なものであり、それらが日本経済の体力を奪いつづけて、敗戦に至ったというものです。日本と英国の地理的状況は酷似しており、イギリスはドイツの潜水艦の攻撃を防ぎ続けることが出来なければ、イギリスの艦船は壊滅する結果になったであろうこと。無防備になった英国に、当時最強のドイツ陸軍がドーバー海峡を渡って上陸していたならば、イギリスが敗戦国になっていたであろうと述べています。

6位 創る売るその発想 吉田忠雄

こちらの本は、ファスナー業界で世界一の企業になったYKKの創業者吉田忠雄氏の著作です。吉田忠雄氏の独特の経営哲学が豊富に描かれており、彼は社員を「小作農」ではなく「自作農」にするため、持株制度を推進。会社の所有者として社員が一生懸命働く環境を整備しました。

また、彼の考えで素晴らしいのが発明についてです。例えば「きみの使っとるその機械、それは本当はおれの発明だよ」と言うと若い者たちはびっくりする、すかさず「きみらは暇がなくても暇をつくってゴルフとかなんとか言って盛んに玉打ちをやっとるが、わしはこの年になってもやっておらんよ。そういう時間がある時はいつもこういうものを一所懸命、考えておったんだ」と刺激するそうです。彼にとって発明とは、考え出す頭があるとかないとかではなく、人生を真剣に歩いてきたかどうか、サラリーマンとして自作農で働いてきたか、それとも小作農で働いてきたのか、その差が大きいということです。

そして、彼がこの著作で何度も言っているのが「金」よりも「モノ」が大事ということです。「お金なんてものはお札で持っていてもしょうがないんですよ。経済力があるということはお金がたくさんあるということではなくて、物があるということなんです。物があるということはつまり生産力があるということで、これが私の考えている経済力なんです。」

「お金の力はただ一つ、ものに換えることができることです。だから生産力につながる設備投資をする。その新しい設備が、コストを下げながらより確実でいい品質のものをより多く生産してくれて、さらに大きい利益を生んでくれるんです。」

「みなさん、お金なんてものはたいしたものでもなんでもない。あんなものにとらわれちゃいけません。嘘だと思ったらマッチで火をつけてごらん。すぐ燃えちゃうから」

「戦争になったらお金じゃない、物だということです。私の経済理論からいうと、これは戦争だけじゃない、平和な時も、常時おしなべてそうなんだが…資金にゆとりが生じると、持っている金はすべて物に換えました。」

7位 ハイパワー・マーケティング ジェイ・エイブラハム

著者のジェイ・エイブラハムは全米No.1のマーケティングコンサルタントで、ビジネス戦略・マーケティングの世界で50年以上、世界のトップに君臨する伝説的な人物です。

マーケティングについての本で一冊だけ選ぶとしたら、間違いなくこの本が一番素晴らしいです。非常に具体的な方法が詳細に説明されているだけでなく、その方法を支える背骨である商売哲学・人生哲学が読む人の胸を熱くさせます。お客様にとってもっと良い方法・もっと為になる商品・サービスが他にあるなら、もし自分が沢山の利益を得られる場合でも、お客様(クライアント)にとっての最良の選択をしてもらうべきであるという考えです。これを「卓越の戦略」と呼び、一度の取引ではなく永続的な協力関係をお客様と築くことが、ビジネスで一番重要であるということです。

8位 トヨタ生産方式 大野耐一

こちらは世界一の自動車会社、日本で一番の企業であるトヨタ自動車の根幹である生産思想について書かれた本です。もともと、トヨタ生産方式の二つの重要な考えである「自働化」と「ジャスト・イン・タイム」は、戦前に豊田佐吉と豊田喜一郎の織物事業の時代に考案されたものです。

戦前までの日本の重要産業は生糸や織物で、非常に競争の激しい業界でした。激しい競争に勝ち抜く為に考案されたのが、「自働化」と「ジャスト・イン・タイム」でした。織物事業で地方財閥になった豊田家は、その利益を新たな自動車事業に投資しました。戦争に伴う統制経済で、政府による指令を受けて生産することになり、自分達の生産哲学が頓挫しましたが、戦争が終わると同時に日本は市場経済に復帰します。再び織物と自動車事業は、凄まじい競争にさらされることになります。当時のトヨタ自動車は、アメリカのフォードやGMと比べたら弱小の貧乏会社です。どうすれば、競争に勝ち抜けるのか考えた末に、戦前に織物事業で使われていたトヨタ生産方式を、自動車事業でも使用することになったのでした。著者の大野耐一氏は、他の自動車会社と競争するために、トヨタ生産方式を実際の生産現場に植え付けた人物です。

このトヨタ生産方式の中心的な思想は、当時の常識であった「時間内あたりの生産量を最大化することが製造原価を安くする方法である」という考えを否定したことでした。

では、トヨタ生産方式の真髄とは何か、それは「売れない物を、いくら能率を上げて安く作ったとしても、企業にとっては何の意味もない 」ということです。100個しか売れないのなら、110個作っても駄目で、売れる100個をどうやって安く作るのか考えないといけない。売れない物は在庫になって新たに倉庫を借りなければいけなくなるので、製造原価を上昇させる結果になるという理屈です。

「売れないほど沢山出来ることは、結局それをどんどん高くして行くだけだ」

「作業員にして欲しいことが何であれ、それが今、必要でないのなら、何もせず設備のそばで突っ立っているほうが、前倒しして作るよりも遥かに良いのだ」

9位 日本美術全史 田中英道

こちらの本は、日本美術の名作を画期的な視点で解説している名著です。日本の美術書によくありがちな、作品の良し悪しに言及しない消化不良の本とはひと味違う本です。

著者の田中英道氏は、海外で美術を研究した学者です。人間の美意識には、国民・民族関係無しに普遍的な価値判断があるはずです。名作と駄作には、圧倒的な差があり、好き嫌いというものを超越した偉大な作品があるはずです。田中英道氏は、西洋美術で使われる価値判断を、日本美術に適用して、日本にも世界レベルの逸品が沢山存在することを証明しています。特に運慶をはじめとする慶派の彫刻や、興福寺の阿修羅像には最高評価がついています。

この本を片手に京都や奈良を旅すると、非常に有意義だと思います。

10位 隷属への道 F・A・ハイエク

最後のこちらは経済学・政治思想についての本です。ハイエクは、1位のヒューマン・アクションを書いたミーゼスの直弟子です。この本は、社会主義によって個人の自由が無くなっていく過程が説明されています。この本が書かれた当時、ナチス・ドイツとソビエト連邦が対立していましたが、この2つの国家の根本思想は「市場経済の否定」という共通のものであるということをハイエクは主張しました。事実、歴史を紐解けば、全体主義国家にも社会主義国家も、どちらも自由が制限されていたことは、否定の出来ないことです。

人間には、何かの物やサービスを得る方法が2つだけ存在します。一つは、相手にもメリットを与えて同意の上に交換をする方法(商売・市場経済)。二つ目は、相手から合意無しに奪い取る方法(強盗・詐欺・税)です。

全体主義と社会主義が「商売・市場経済」を制限・否定する以上、何かを得るには強制力を使わざるをえなくなり、自由が無くなっていくという理論をハイエクは述べています。

この10冊は本当に素晴らしくて、何度も読み込むたびに、その都度感銘を受けるような書物です。

その他に、私の読んできた中でも特に良い本を紹介します。

美術

藤田嗣治 異邦人の生涯 近藤史人

腕一本 巴里の横顔 藤田嗣治

板極道 棟方志功

私の梅原龍三郎 高峰秀子

無限の網 草間彌生

日本ぶらりぶらり 山下清

商売・仕事

トヨタの商売成功の7原則 石田退三

MAIDE IN JAPAN 盛田昭夫

孤高 鈴木敏文

ある広告人の告白 デイヴィッド・オグルヴィ

成功はゴミ箱の中に レイ・クロック

ザ・ハウス・オブ・トヨタ 佐藤正明

経営に終わりはない 藤沢武夫

小林一三経営語録 中内功

ZERO to ONE ピーター・ティール

SHOE DOG フィル・ナイト

ユダヤの商法 藤田田

実践ダイレクト・マーケティング ドレイトン・バード

あなたの会社が90日で儲かる 神田昌典

松下幸之助発言集 全10巻 松下幸之助

稲盛和夫の実学 稲盛和夫

億万長者の不況に強いセールス戦略 ダン・ケネディ

究極のマーケティングプラン ダン・ケネディ

究極のセールスレター ダン・ケネディ

セールスレターの成功技術 ドレイトン・バード

大富豪の起業術 マイケル・マスターソン

テッド・ニコラスのマーケティング戦術成功法則大全 テッド・ニコラス

現代広告の心理術101 ドルー・エリック・ホイットマン

GMと共に アルフレッド・スローン

俺は中小企業のおやじ 鈴木修

商いの道 伊藤雅俊

一商人として 相馬愛蔵

私の小売商道 相馬愛蔵

決断 豊田英二

私のウォルマート商法 サム・ウォルトン

サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ 正垣泰彦

ドトールコーヒー 勝つか死ぬかの創業記 鳥羽博道

京セラフィロソフィー 稲盛和夫

貫く「創業」の精神 塚本幸一

美酒一代 杉森久英

転んでもただでは起きるな 安藤百福

経済

福祉国家亡国論 山本勝市

世界一シンプルな経済学 ヘンリー・ハズリット

ルートヴィッヒ・フォン・ミーゼス 生涯とその思想 尾近裕幸

自由の条件 F・A・ハイエク

貨幣及び流通手段の理論 ミーゼス

経済科学の根底 ルートヴィッヒ・フォン・ミーゼス

ハイエク全集1.2 F・A・ハイエク

国富論 アダム・スミス

ハイエク、ハイエクを語る F・A・ハイエク

連邦準備銀行を廃止せよ ロン・ポール

歴史

ローマ人の物語 全巻 塩野七生

海の都の物語 塩野七生

コンスタンティノープルの陥落 塩野七生

街道をゆく シリーズ 司馬遼太郎

大国の興亡 ポール・ケネディ

海上権力史論 アルフレッド・セイヤー・マハン

戦略論 リデル・ハート

戦争論 クラウゼヴィッツ

孫子

世界政治と米国の戦略 ニコラス・スパイクマン

神皇正統記 北畠親房

古事記・日本書紀

ユダヤ古代史 フラヴィウス・ヨセフス

宗教

旧約・新約聖書

コーラン

キリスト教綱要 ジャン・カルヴァン

浄土三部経

イスラーム思想史 井筒俊彦

聖書の旅 山本七平

聖書の常識 山本七平

選択本願念仏集 法然

世親 三枝 充悳

その他

人間失格 太宰治

津軽 太宰治

斜陽 太宰治

きりぎりす 太宰治

晩年 太宰治

津軽三味線ひとり旅 高橋竹山

書を捨てよ、町へ出よう 寺山修司

家出のすすめ 寺山修司

ポケットに名言を 寺山修司

青春を山に賭けて 植村直己

アクロイド殺し アガサ・クリスティ

わたしの渡世日記 高峰秀子

深夜特急 全6巻 沢木耕太郎

どくとるマンボウ航海記 北杜夫

日の名残り カズオ・イシグロ

カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキー

マスタリー ロバート・グリーン

肩をすくめるアトラス アイン・ランド

時刻表昭和史 宮脇俊三

1984年 ジョージ・オーウェル

自由社会の哲学とその論敵 カール・ポパー

かくれ里 白洲正子

おくの細道 松尾芭蕉

反脆弱性 ナシーム・ニコラス・タレブ